─ 前職ではどんな仕事をしていましたか？
　大学を出て、一度京都の一般企業に就職しました。建具や材木などを工務店に卸す仕事をしていたのですが、もっとやりがいを感じられる仕事に就きたいと思い、リハビリの専門学校に入学しました。卒業後、5年ほど京都の病院でリハビリの仕事をしたのち、私も妻も広島カープファンだったこと、また私の地元が広島だったため、生活の拠点を広島に移そうと決意。転職先を探しているときに信愛会を知り、入職しました。

─ 病院でリハビリをしていたときとの違いや難しさはありますか？
　施設はご高齢の方が多いため、病院と比べてリハビリにかけられる時間が少ない点が大きな違いです。短い時間の中でそれなりの成果が求められるため、難しさを感じることはあります。また、病院は“元気になって帰る”という明確なゴールがありますが、施設に入所されている方のゴール設定はさまざま。この先、歩けるようになる見込みがない方は、安全に車椅子へ乗り移りできることがゴールになります。一人ひとり異なるゴールに対して、いかにその方にあったリハビリを提供できるかが永遠の課題です。

─ 信愛会が力を入れている部分はどんなところですか？
　私が働いている「介護老人保健施設しんあい」は、リハビリにもっとも力を入れており、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士といった専門スタッフが多く在籍している施設です。リハビリにかける時間も、他の施設と比べて多いと思います。また、他職種との連携がしっかり取れているところも強みのひとつ。看護師や介護士、相談員とコミュニケーションが取りやすい環境で、お互いに情報交換をしながら目標設定できる体制が整っています。

─ この仕事のやりがいを教えてください。
　一番やりがいを感じる瞬間は、介護職、看護職、リハビリスタッフとご家族で協力しあい、利用者さまを自宅に帰すことができたときです。介護老人保健施設でのリハビリは個人差があり、なかなか機能が回復しない方も多い中、ご家族の協力や自宅の環境を調整しながら在宅復帰が叶ったときは、頑張ってよかったと感じます。これからも他職種とのコミュニケーションを大切にしながら、しんあいをいい施設にしていきたいです。